人とは違うスタイルにオススメの「チェンジポケット」
スーツには実にさまざまなディテールが備わっています。ラペルやベンツ、ラペルホールなど数えあげればキリがありませんが、現在の一般的なスーツではあまり取り入れられなくなったものも少なくありません。
チェンジポケットは、そんな「最近あまり見かけなくなったスーツのディテール」のひとつ。
今回は、チェンジポケットの起源や役割、着用シーンについてご紹介したいと思います。
チェンジポケットは英国調のスーツによくみられる意匠の一つで、右の腰ポケットの上についているやや小さなポケットのことを指します。
では、チェンジポケットの由来や役割、チェンジポケット付きジャケットの着用シーンを確認していきましょう。
まずは、チェンジポケットの由来から確認していきましょう。
チェンジポケットという名前は、かつてお釣りや小銭(change)を入れるために使用されていたことに由来します。切符入れとしても使用されていたことから「チケットポケット」と呼ばれることもあります。
また、英国紳士のスポーツとして知られる狩猟の際、発射薬(弾丸を発射させるために使用する火薬)を入れていたとの説もあるようです。
実用的に使用されてきたチェンジポケットですが、現在では装飾としての意味合いが強くなっています。
ブリティッシュスーツは着丈が長めでウエストラインがシェイプされたものが多く、チェンジポケットがあることでアクセントになります。また、ポケット周辺に視線が集まりやすくなり、脚長効果も見込めるのです。
もちろんチェンジポケットは、本来の用途で使用しても構いません。その場合は、500円硬貨と100円硬貨それぞれを1枚か2枚程度入れておくのが無難です(ポケットが膨らんでフォルムを崩してしまってはいけませんからね)。
チェンジポケット付きのジャケットで気になるのが、ビジネスシーンでも着用できるのかどうか。
基本的には、チェンジポケット付きのスーツであってもビジネスシーンで着用することは可能です。ただし、現在はあくまで装飾的な意味合いが強いため、厳粛な場や就職活動時などは着用を避けたほうが無難だと言えるでしょう。
ちょっとしたディテールが加わるだけで、スーツの表情が変わり、それにともなって着こなしが豊かになるものです。
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チェンジポケット や本切羽(ほんせっぱ) などのユニークなディテールで、マンネリしがちなビジネススタイルを刷新してみてはいかがでしょうか?