ウォッシャブルスーツ(洗えるスーツ)を最大限に生かす洗濯術
快適かつ清潔、汗ばむ季節も気軽に使えて環境にもやさしいウォッシャブルスーツ。
ビジネスウエアの新定番になりつつありますが、気になるのが「ウォッシャブル」の意味するところ。
洗えるスーツといっても、実際はシワになるのでは?なにかと取り扱いが面倒なのでは?そんな疑問にお答えしながら、ウォッシャブルスーツの魅力を生かすお手入れ方法について解説します。
そもそも、ウォッシャブルスーツ(洗えるスーツ)とはどのようなスーツなのでしょうか。まずは、一般的なスーツとの違いや特徴について確認してみましょう。
ウォッシャブルスーツの最大の特徴はやはり、洗濯機で洗える点です。
一般的なスーツに比べて縫い目がしっかりしていてほつれにくく、ご家庭での洗濯にも耐えられる頑丈な作りになっています。
型崩れしにくい点も、ウォッシャブルスーツの特徴です。
ウォッシャブルスーツにはシワになりにくい素材が多く配合されており、一般的なスーツよりもウールの分量を減らすことで縮みや型崩れが起きにくいように工夫されています。
また、洗った後もキレイなシルエットを維持できるように、特殊な加工が施されているものもあります。
ウォッシャブルスーツは、ご家庭で洗濯できるためクリーニング費用を抑えられるという特徴もあります。
また、クリーニング店への持ち込み・受け取りの手間が省けるという点は、忙しい社会人にとってうれしいポイントです。
ウォッシャブルスーツ(洗えるスーツ)といっても、デリケートさでいえば一般的なスーツと同じ。本来の素材感やシルエットを引き立てるには、普通の衣類と同じような洗い方はおすすめできません。とはいえ、特別なことは不要。注意すべきなのは以下の5点です。
・洗濯頻度
・洗濯ネットを使用する
・中性洗剤を使用する
・水温は30℃以下、水流は弱めに
・脱水は短めに設定
それぞれのポイントについて詳しく確認していきましょう。
自宅で洗濯することができるウォッシャブルスーツですが、頻繁に洗ってしまうとダメージが蓄積してしまいます。
ウォッシャブルスーツの寿命を早めないためにも、洗濯の頻度は月に1~2回程度にとどめておきましょう。
また、ジャケットとパンツを別々に洗濯するのではなく、セットで洗うことを忘れずに。洗濯回数や洗い方に差が出ると、パンツとジャケットの色に違いが表れる可能性があります。
ウォッシャブルスーツを洗濯する際の2つめのポイントは、洗濯ネットを使用することです。
洗濯ネットに入れる手順は以下の通り。
1.ジャケットはボタンを外し、袖と前身頃をきれいに整える
2.パンツはプリーツを整え、2つ折りもしくは3つ折りする
3.上着の旨部分の上にパンツを重ねる
4.左右の袖を折り曲げ、最後に前身頃を折り返す
5.洗濯ネットに入れてファスナーを閉める
洗濯ネットに入れる前には、ジャケットの前ボタンを外し、パンツはファスナー・ボタンを閉めます。また、ポケットの中が空になっているかもチェックしておきましょう。
ジャケットとスラックスは別々の洗濯ネットに。それぞれ二つ折りにして入れられる大きめサイズの洗濯ネットを使用しましょう。
2つめのポイントは、中性洗剤を使用すること。
アルカリ性の洗剤は洗浄力が強いため、中性洗剤を使用するのが理想的です。
襟や袖口に汚れが目立つときは、あらかじめ部分洗いしておくのがおすすめです。
また、生地を傷める原因となるため、柔軟剤は使わないようにしましょう。
洗濯時の水温もポイントです。
熱いお湯での洗濯は変色の原因となる可能性があるので、水温は30℃以下に。
また、「弱水流」や「手洗いコース」、「ソフト」など、水流を弱めに設定しましょう。
5つめのポイントとして、脱水を短めに設定しましょう。
脱水を長時間してしまうと、繊維を傷めてしまったり、シワがついてしまったりする恐れがあります。脱水は1分を目安に短めに設定しましょう。
また、シワや縮みの原因となるので、乾燥機の使用は避けましょう。
洗い方と同じく気をつけたいのが、ウォッシャブルスーツ(洗えるスーツ)の干し方です。
洗濯後の干し方が適切でないと、ウォッシャブルスーツのシワや型崩れにつながります。
では、ウォッシャブルスーツの型崩れやシワを防ぐ干し方を確認してみましょう。
洗濯が終わったら洗濯ネットから取り出し、軽く絞りましょう。強く絞ってしまうと、生地を傷めたりシワの原因になるので注意が必要です。
軽く絞ったら、陰干しを行います。直射日光が当たらない、風通しの良い場所で干しましょう。
ウォッシャブルスーツのジャケットを干すときは、肩に厚みのあるスーツ用ハンガーを使用しましょう。
また、ハンガーの肩の部分にタオルを巻いてから上着をかけることで、本来のキレイなシルエットを再現することができます。
さらに、袖口には丸めたタオルを入れ込んでおくと、袖全体のシワが伸ばせて、型崩れも防げます。
ウォッシャブルスーツのパンツは、パンツ用ハンガーを使い、着用時と同じフォルムで筒干しするのがおすすめ。
まず、腰部分を上にして全体を両手で軽く叩いてシワを取りましょう。次に、ファスナー・ホック・ボタンをすべて開けて、筒状になるようにウエスト部分を4か所ほどピンチで留めます。
裾に丸めたタオルを入れておくことで、よりキレイな仕上がりに。
干した後にシワが残っている場合は、アイロンがけでシワを伸ばします。
ただし、アイロンがけの方法には注意が必要。必要以上の高温でアイロンをかけてしまうと、繊維がつぶれてスーツの寿命を早めてしまう原因になります。
ウォッシャブルスーツにアイロンをかける時は、アイロンの温度を140℃~160℃に設定し、必ず当て布を使いましょう。スラックスは、もともとの折り目ラインに沿ってアイロンをかけていきます。
ビジネスパーソンにとって、身だしなみは大切な作法の一つ。また、汗や臭いが残ったスーツに袖を通すのは思いのほかストレスになるものです。
少しの手間でいつも清潔感をキープできるウォッシャブルスーツは、いわば仕事効率化アイテム。ぜひ取り入れて快適な毎日に役立ててみてはいかがでしょうか。
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