ビジネスシーンに合う「シャツ」はどう選ぶ?
シャツはスーツスタイルを構成する重要なアイテムの一つです。
仕事で使うシャツを選ぶ際、色や柄にばかり注目しがちですが、襟の形もまたスタイルの印象を大きく左右します。Vゾーンのなかでもとくに顔に近い首元に位置するため、着こなしに決定的な影響を与えるといえるでしょう。
今回は、そんな決して軽視できないシャツの襟の形について解説します。
スーツスタイルにおけるコーディネートの印象を大きく左右するワイシャツ。
シャツを選ぶ際には、主に以下の点に注目して欲しいシャツを選別していきます。
・スタイル(ドレスシャツ・ワイシャツ、ワークシャツ、ウエスタンシャツ、ロングシャツ、etc.)
・デザイン(ストライプ、チェック、ドット、ブロッキング、etc.)
・生地(ブロード、オックスフォード、サテン、デニム、シャンブレー、etc.)
・襟型(レギュラーカラー、ワイドカラー、ホリゾンタルカラー、ボタンダウン、etc.)
なかでも注目したいのが、シャツの襟型(衿型)。スタイルや生地、デザインに比べて細かな部分ではありますが、襟の形によっても印象が大きく変わります。
シャツの襟は、主に以下4つのポイントによって種類を分けることができます。
・襟羽(襟羽根)の形状…襟全体の形
・襟羽長さ…襟羽根の付け根から襟先までの長さ
・台襟幅…襟を立てる土台部分の幅
・襟羽開き…襟羽が開いている角度
上記ポイントも踏まえて、主な襟型の種類と特徴、着用シーンなど確認していきましょう。
シャツの襟のなかでもっとも定番とされるのが「レギュラーカラー」です。
襟羽の長さや開き具合が標準的で、TPOを問わずあらゆるシーンに対応できる万能なデザインです。
合わせるジャケットやネクタイも選ばない、汎用性の高いシャツといえるでしょう。
「レギュラーカラー」と同じく、ビジネスシーンでスタンダードとされるのが「ワイドカラー」です。
英国のウィンザー公が好んで着用していたことから、「ウィンザーカラー」とも呼ばれます。
「レギュラーカラー」に比べて襟羽が開いているのが特徴。ブリティッシュ・スタイルのスーツに合わせられることが多く、肩幅がある方に向いています。
ネクタイはウィンザーノットが好相性。大人っぽい印象の着こなしが楽しめます。
「ワイドカラー」をさらに広げ、その名の通り水平(ホリゾンタル)になるくらいまで襟の角度が開いたものを「ホリゾンタルカラー」といいます。
また、襟の開きが約190度以上になるものを「カッタウェイ」と呼ぶ場合もあります。
イタリアで好まれるデザインで、やはりネクタイは結び目にボリュームのあるウィンザーノットがおすすめ。ノータイで着用する場合にも向いています。
ワイドスプレッドカラーとは反対に、襟羽開きが狭いのが「ナローカラーシャツ(ナロースプレッドカラーシャツ)」です。
襟羽長さによって「ナローロングカラー」や「ナローショートカラー」と呼ぶこともあります。Vゾーンが小さくまとまるため、スリムなスタイルに重宝します。
「ボタンダウンカラーシャツ」は襟の先端に小さなボタンがついているシャツのこと。アメリカントラッドなスタイルに欠かせないアイテムです。
ややカジュアルな印象があり、フォーマルなシーンには不向きとされます。ノーネクタイでもきれいなシルエットになるため、クールビズやカジュアルシーンで活躍します。
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襟やカフスが白無地、身頃の生地が色物ないしは柄物という具合に、襟と身頃とで色柄が異なるシャツのこと。
ブリティッシュ・スタイルのクラシカルな装いに向いています。エレガントでほどよく遊び心のある着こなしが楽しめます。
直線的なデザインではなく、衿先が曲線を描いているのがラウンドカラーシャツです。
柔らかく親しみやすい印象で、ビジネスシーンには不向きなものの、カジュアルな着こなしで活躍します。
タブカラーシャツは左右の襟羽を結ぶ紐(タブ)がついているシャツで、ネクタイとセットでの着用が基本です。
襟を固定することで、ネクタイ着用時のシルエットをきれいに保つことができます。また、紐(タブ)がネクタイの結び目を持ち上げ、首元に立体感を生む効果もあります。
ピンホールシャツは襟羽にカラーピンを通す穴(アイレット)が開いたシャツで、カラーピンの上からネクタイを通します。
タブカラーシャツと同じように襟元に立体感が生まれ、襟を内側に引き寄せるのでシャープな雰囲気を演出できます。
また、衿の前面にカラーピンの頭が見えるため、タブカラーシャツよりもドレッシーな印象になります。
襟が首の周りを囲うように立ち上がり、襟先だけを折り返したものがウイングカラーシャツです。
結婚式や披露宴などのお祝いの場に適しており、タキシードなどのフォーマルスーツと好相性です。
「スタンドカラーシャツ」は、首に沿って襟が立ち上がり、折り返しの襟羽がないシャツを指します。
ノーネクタイでの着用となりますが、フォーマルシーンからカジュアルシーンまで幅広く着用できるのがポイントです。
クールビズ、ウォームビズなどの普及にともないノージャケット、ノータイのスタイルも増えてきました。
これまで以上にシャツの適切な使い分けが求められるようになってきたと言えそうです。
今回ご紹介した情報も参考に、ぜひシーンやスーツのタイプに合わせてシャツの襟型を選んで、より洗練された着こなしを楽しんでください。