よくみる襟ボタンのシャツって一体何者?
シャツはスーツスタイルを構成する重要な要素の一つ。スーツやネクタイとの相性をつかんで、シーンに合わせてうまくシャツ選びできるようになれば、着こなしも自ずと上達していくはずです。
スーツと同じく、シャツにも実にさまざまなバリエーションがあります。例えば、襟の先にボタンが付いたシャツ。一般に「ボタンダウンシャツ」と呼ばれますが、ボタンは単なる飾りではなく、使えるシーンや着こなし方にルールがあるのをご存知でしょうか。
今回は、スーツの着こなしの幅を広げてくれるボタンダウンシャツを取り上げて解説します。より洗練された装いにお役立てください。
まずは、ボタンダウンシャツがどのように生まれたのか、そしてどういった特徴があるのかを確認してみましょう。
ボタンダウンシャツを考案したのは、アメリカの紳士服ブランド「ブルックス・ブラザーズ」の創立者であるジョン・ブルックス。
彼が乗馬して行う競技「ポロ」を観戦した際、競技者らが風に煽られないようシャツの襟をボタンで留めていたのを見たのがきっかけだといわれています。
このような成り立ちから、ボタンダウンシャツには実用性を重視したスポーティーなシャツという側面があります。
ボタンダウンシャツの特徴は、襟の先に小さなボタンが付いていること。
このボタンで襟の先を留めるため襟立ちが良く、ノーネクタイやノージャケットでも様になります。
また、ノーネクタイのイメージが強いボタンダウンシャツですが、ネクタイを合わせるのがNGというわけではありません。
ネクタイやジャケットとの相性もよく、襟元に美しいロール(緩やかな曲線)が生まれるため、ビジネスシーンでも好んで用いられます。
ボタンダウンシャツを着用する際には、いくつか押さえておくべき留意点があります。
次は、ボタンダウンシャツを着こなすポイントや着用シーンについて見ていきましょう。
ボタンダウンシャツの着用時に注意したいポイントのひとつが、襟先のボタンを必ずとめておくこと。
外すとだらしない印象になってしまうだけでなく、ボタンダウンシャツの特徴である襟立ちの良さが失われてしまいます。
シーンや着こなしに関係なく、ボタンダウンシャツを着用するときは襟先のボタンを閉めたままにしておきましょう。
ボタンダウンシャツは、使用可能なシーンが限られているということも覚えておきましょう。
カジュアルな印象があるので、冠婚葬祭はもちろん、ビジネスシーンでも場所や会う人によっては控えるのがベター。
あくまでビジネスカジュアルなアイテムと捉えておくとよいでしょう。
一方で、結婚式の2次会やパーティなどのカジュアルなシーンでは、ボタンダウンシャツは便利なアイテムです。
しっかりとした服装でありながらも親しみやすい印象を演出することができます。
襟を立てやすくVゾーンがきちんとした印象になるというボタンダウンシャツの特徴をいかすには、クールビズに取り入れるのがおすすめ。
ノージャケット×ノーネクタイでトップのボタン(第1ボタン)を外すことで、襟元が軽くロールして美しいシルエットが生まれ、清潔感のある着こなしを楽しめます。
ボタンダウンシャツにネクタイを合わせる場合は、プレーンノットのようなシンプルな結び方がおすすめです。
ネクタイを締めたり外したりする際は、いったん襟先のボタンを外しましょう。
ネクタイを外すときにボタンも外してそのまま洗濯し、シャツに袖を通してネクタイを締めてからボタンを閉めるという流れが、もっとも手間が少なく理にかなっています。
関連記事:ネクタイの結び方|基本から応用まで、おすすめシーンとあわせて解説
シャツ一つ取り上げても、タイプによって使えるシーンや着こなし方に決まりごとがある場合があります。
アイテムの使い方を誤った装いは、どこか違和感を感じさせるもの。ルールを守らずして、おしゃれな着こなしはあり得ません。
まずは正しい知識を身につけることこそが、スマートな大人への第一歩といえるでしょう。
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