ノーアイロンシャツでよく見かける「形態安定性」って何?
ビジネスシーンの服装には、なにがなくとも清潔感が欠かせません。例えば、シワだらけのシャツを着ているようなことがあると、相手に不快な印象を与えたり、信頼感を損ねてしまうようことにもなりかねません。
とはいえ、週末に一気に洗濯してまとめてアイロンがけするというのも面倒なもの。できれば洗ってハンガー干ししたシャツにそのまま袖を通したいと思う方は少なくないでしょう。
そんな忙しいビジネスマンに愛用されているのが、形態安定加工を施したノーアイロンシャツ。そこで今回は、「形態安定性」とは何か、そして形態安定加工が施されたノーアイロンシャツの洗濯方法についてご紹介します。
形態安定加工シャツとは、高機能繊維製品の一つで、アイロン不要で着られるノーアイロンシャツのこと。公的な試験基準がないため、なかには必ずしも形態安定効果が期待できないものあったようですが、平成29年にJIS規格が制定され、客観的な評価が可能になっています。
シワ、縫い目、形態の安定性、寸法変化率という4つの評価項目のもと、洗濯と乾燥を繰り返し行ったあとの状態で、1級から5級までの5段階で評価され、基準値を満たしたものが「形態安定性有り」と判断されます。
なお、主な形態安定加工は、VP加工とSSP加工の2種類。VP加工は、縫製後の製品にホルマリンガスを浸透させ、メチレン結合を形成して形態を安定させます。SSP加工は、縫製前の生地を液体アンモニアと樹脂によって加工し、縫製後に高温で熱処理して形態を安定させるという技術です。
忙しく過ごすビジネスパーソンにとって強い味方となる形態安定シャツ(ノーアイロンシャツ)ですが、洗濯する際のポイントを押さえておくことで、その防シワ性能を長持ちさせることができます。
次は、形態安定シャツ(ノーアイロンシャツ)の洗濯方法のポイントや流れを確認していきましょう。
形態安定シャツ(ノーアイロンシャツ)を洗濯する際は、クリーニング店ではなく家庭での洗濯がおすすめです。
クリーニング店では基本的にアイロンで仕上げを行いますが、形態安定加工が施されているシャツはアイロンをかけることで防シワ性を損ねたり生地が傷んでしまうケースがあるためです。
また、形態安定シャツを洗濯するときは洗濯ネットを使用するのが好ましいです。摩擦によるダメージを軽減して、生地の傷みや防シワ性の劣化を防ぐことができるでしょう。
形態安定シャツをよりよい状態で長持ちさせるためには、お手入れの際にちょっと一手間加えるのがおすすめ。以下の手順でお試しください。
1. 襟や袖口など、皮脂汚れがつきやすいところは事前に手洗いしておきましょう。洗剤で軽くもみ洗いする程度でOKです。
2. ワイシャツのボタンを留めたうえで、裏返した状態できれいにたたんでネットに入れてください。汚れが落ちやすく、生地のダメージも軽減できます。
3. 洗濯後、30秒ほど脱水したらワイシャツを洗濯機から取り出します。
4. できるだけ素早く形を整え、ハンガーにかけます。第2ボタンまで留めて、風通しのよいところで陰干ししてください。
洗濯機で洗っても落とせない汚れがあるときは、形態安定シャツをぬるま湯で濡らしたあと、汚れに石けんをつけて歯ブラシなどでやさしくこすり洗いしてみてください。
部分洗い用洗剤を使うのもおすすめです(使用する際は洗剤の指示に従ってください)。
P.S.FAでも、形態安定性があると公的に評価されたシャツ を豊富にラインナップ。
カラバリやデザインも多様で、吸水性・通気性に優れるものや、ストレッチ素材を取り入れたものなど、好みや機能に合わせて選ぶことができます。ぜひ活用してみてください。
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