
スーツのポケットについて、どんな用途で使うのが正しいのか疑問に思ったことはありませんか?
スーツのディティールにはそれぞれ正しい用途があり、ポケットにもマナーがあります。
誤った使い方をしていると、スーツ本来のシルエットを損ねてしまったり、場合によってはマナー違反と捉えられる可能性もあります。
この記事では、スーツのポケットが持つ本来の役割と、ポケットにまつわるマナーをご紹介します。
スーツを正しく着こなすために、そして知らず知らずのうちにマナー違反になってしまわないように、ポケットの本来の役割について確認していきましょう。
スーツのジャケットとパンツには、以下のように多くのポケットが備わっています。
それぞれのポケットの役割について見ていきましょう。
胸ポケットはジャケットの左胸にあるポケットのことで、ポケットチーフを挿すためのものです。
結婚式やパーティーなどのフォーマルなシーンで、胸ポケットにチーフを挿しておくことで、華やかさを演出することが可能です。
シーンによっては万年筆を入れても問題ないケースもありますが、マナー違反と受け取られる可能性もあるのでチーフ以外のものを入れるのは避けた方が無難でしょう。仮にペンを入れるとしても、ボールペンなどのチープな印象のものは避けましょう。
内ポケットは、ジャケットの裏側についているポケットのこと。
ジャケットのポケットのなかで、唯一実用的に使うことができ、ペンや名刺入れなど、薄くて軽い物を入れておくのに重宝するポケットです。
ただし、スマホや財布などの重みがある物を入れると、シルエットの乱れや型崩れの原因となってしまうため注意が必要です。
腰ポケットは、ジャケットの左右についているポケットのこと。
ジャケットのデザイン性のために付いているポケットで、蓋が付いた「フラップポケット」や斜めに取り付けられた「スラントポケット」など、さまざまな種類が存在します。
いずれの種類においても装飾としてのディティールですので、物を入れるのには適していません。
サイドポケットは、スーツのパンツの横にあるポケットのこと。
パンツの横の縫い目の部分にあることから、シーム(縫い目)ポケットとも呼ばれます。
スマホなどの小物を入れたり、手を突っ込んだりといった使い方をされがちですが、スーツのシームポケットの場合は注意が必要。
カジュアルパンツと同じように物や手を入れていると、シルエットが崩れてしまうほか、生地の劣化を早める原因となってしまいます。
ヒップポケットは、パンツの後ろ側についているポケット。かつて、護身用のピストルを挿していたことからピスポケットとも呼ばれます。
ヒップポケットに財布を入れている人もいますが、シルエットを損ねてしまうためおすすめはできません。ハンカチを入れておく程度に留めておきましょう。
次に、スーツのポケットにまつわるマナーを見ていきましょう。
先述の通り、スーツには多くのポケットが備わっていますが、そのほとんどは装飾的な意味合いが強く、実際に物を入れるのには適していません。
唯一実用的に使うことができるジャケットの内ポケットも、シルエットに影響しない範囲で使うのが理想です。
スーツ本来の美しいシルエットを保つためにも、スーツの型崩れや生地の劣化を防ぐためにも、基本的にはポケットに物を入れないようにしましょう。
また、やむを得ずポケットに物を入れる場合は、長時間入れっぱなしにしないよう注意が必要です。
スーツのポケットのなかでも、さまざまな種類がある腰ポケット。
なかでも多くのスーツに採用されているのが、ポケットの間口に蓋が付いたフラップポケットです。
このフラップ(蓋)は本来、雨水やホコリが中に入り込むのを防ぐために備わっているものです。そのため、屋外ではその役割に沿うように外に出しておき、反対に屋内では中に入れておくのがマナーとされています。
今回は、スーツのポケットの本来の役割やマナーについてご紹介しました。
スーツ本来の美しいシルエットを保つには、できる限りポケットに物を入れないことが大切です。
今回ご紹介した本来の役割やマナーを踏まえ、スーツを美しく着こなしましょう。
もっと知りたい!続けて読む
ウォッシャブルスーツ(洗えるスーツ)は本当に洗えるのか?
快適かつ清潔、汗ばむ季節も気軽に使えて環境にもやさしいウォッシャブルスーツ。ウォッシャブルスーツの魅力を生かすお手入れ方法について解説します。
【あわせてお読みください】