実はそのスーツ、寿命です
日本のビジネスマンの半数は、4着から6着のスーツを持っているのだそう。週に1回ぐらいのペースで袖を通しているわけですから、あちこち傷んできて当然です。
難しいのがスーツの替え時。新調するとなると費用もかかるし、目立った穴や糸のほつれさえなければ、まだまだ着られると思いたくなるものです。
ところが、スーツには寿命があります。替え時のタイミングを間違えると、自分では気がつかないところでダメージが蓄積し、知らず知らずのうちに野暮ったい雰囲気をかもしてしまうことも。
ビジネスシーンでいつも最高の自分を演出するために、スーツを買い替えるタイミングについてご紹介します。
一般的に、スーツの寿命は3年から5年ほどだといわれています。
もちろん、これはあくまで目安。スーツを着る頻度や環境、お手入れの内容や度合い、素材、既製品かオーダースーツか、夏物か冬物かなど、いろんな要因が絡み合い、スーツの寿命は前後します。
短い場合だと半年、長い場合では10年くらい着られることもあります。
スーツがくたびれてしまう原因はさまざまですが、とくにスーツの寿命を早めてしまう主な原因を3つご紹介します。
スーツの寿命を早める原因のひとつが、同じスーツの着回しです。
とくに、1着や2着のスーツを着回している人は要注意。スーツは1日着ると、汗を吸ったり生地が摩擦で傷んだりして疲れてしまいます。
人と同様、しばらく休ませることで回復できるダメージもありますが、毎日のように同じスーツを着用し続けると負担が重なり、へたりやすくなってしまうのです。
頻繁なクリーニングもスーツの寿命を早める原因。
一般的なドライクリーニングで使用している溶剤には、スーツの主要な素材である羊毛に含まれる脂分も取り除き、繊維を傷みやすくする作用があります。
スーツに汚れがついてしまった場合はやむをえませんが、本来は各シーズンの終わりにだけクリーニングするのが理想的です。
スーツの寿命を縮めないためにはアイロンプレスの方法にも注意が必要です。
スーツの素材によって適切な温度は異なり、必要以上の高温でアイロンプレスをしてしまうと、熱と強い圧力によって繊維が潰れてしまうことがあります。
どんなに丁寧に扱っていても、スーツに寿命は訪れます。以下のようなサインを見つけたら買い替えの合図。見逃さないようにしてください。
・一部にテカリが出る
・シワがもどりにくい
・デザインが古くなる
では、それぞれの買い替えサインについてみていきましょう。
特定の場所に大きな負荷(圧力や摩擦)がかかると、スーツの生地にテカリが発生することがあります。
本来、スーツ表面は繊維の凹凸がありますが、動いたり座ったりといった動作によってスーツの繊維がつぶれ、生地表面の凹凸がなくなってしまうことでテカリが発生してしまうのです。
ブラッシングしたり、スチームアイロンをかけたりしても元に戻らないようであれば、繊維が完全に潰れてしまっている可能性があります。
購入当初に比べてスーツのシワが戻りにくくなった場合も要注意。
スーツが新しいうちは、シワが入ってもしばらく放置しておけばとれてくるものですが、時間をおいてもスーツのシワが取れない場合はかなりくたびれていると考えられます。
シワになりやすさ・なりにくさは素材によっても異なります。
一般的に、綿や麻、シルクなどの天然繊維はシワになりやすいとされていますが、ウール(羊毛)はシワが残りにくいと言われています。
また、ポリエステルなどの合成繊維はシワになりにくく、ウール・ポリエステルの混紡素材はシワになりにくい素材として知られています。
スーツの買い替え時は、なにも生地のテカリやシワだけではありません。
購入してから月日が経過したスーツは、デザインがトレンドを外れてしまうことがあります。
物理的な傷みがなくても、作られてから10年経ったスーツは買い換えるのがベターです。
いつかは訪れるスーツの寿命ですが、愛着のあるスーツは長く着ていたいものです。
スーツを長持ちさせるためには、日ごろから正しいお手入れ・ケアを心がけることが大切です。
では、スーツの寿命を延ばすためにも覚えていきたい3つの習慣をご紹介します。
収納方法が適切でないと、型崩れやカビ、虫害の原因となってしまいます。スーツを長持ちさせるには、正しい収納方法を覚えておくことが大切です。
スーツを収納する前にはブラッシングを行い、ホコリや皮脂汚れを落としておきましょう。ジャケット・パンツともに下方向へと優しくブラッシングするのがコツで、汚れが付着しやすい裾は重点的に行うのがポイントです。
スーツを掛けるハンガーは、型崩れを防ぐためにも肩のサイズが合っていて厚みのある木製ハンガーを選ぶとよいでしょう。パンツは専用ハンガーの使用が理想的です。ポケットに中身が入っていると重みで型崩れにつながるので注意しましょう。
また、収納場所の風通しも重要なポイントです。スーツが吸収した汗などの水分を蒸発させるためにも、風通しの良い場所での陰干しがおすすめです。
スーツのアイロンがけも、スーツの寿命を左右するポイントです。
アイロンの温度が高すぎると、生地を痛めて寿命を縮める原因となってしまいます。綿や麻の生地であれば180~200度の高温、ウール素材であれば140~160度の中温、ナイロンやポリエステルであれば110~130度の低温でアイロンがけを行いましょう。
また、直接アイロンを当てると生地が傷んでしまうので、綿素材などの通気性が良い当て布を利用しましょう。
普段何気なく行っている日常動作にも、スーツの寿命を縮めてしまう原因が潜んでいます。
たとえば、椅子に座るときや電車のつり革をつかむ動作では、スーツの生地が引っ張られてしまい、生地を傷めてしまう場合があります。
型崩れを防ぐためにも、スーツの生地に負荷がかかる姿勢をとる際には、フロントボタンをはずしておくとよいでしょう。
サイズやデザインだけでなく、コンディションもスーツの着こなしに大きく影響します。これを機に、普段から酷使してしまっているスーツの状態を確認してみてはいかがでしょうか。
アフターケアが充実しているP.S.FAなら、店舗数が多くアクセスしやすいため、購入したスーツを持ち込んで気軽にコンディションを確認することができます。修繕サービスも実施しているので、スーツの寿命かな?と思ったら、ぜひ利用してみてください。
もっと知りたい!続けて読む
【あわせてお読みください】