せっかくスーツを買うなら、細かいディティールまでこだわりたいという方も多いのでは?
スーツの印象は、ボタンやポケットだけでなく「ラペル(下襟)」によっても大きく変わってきます。
そこで今回は、スーツの顔とも言われているラペルについて、基礎知識から選び方までをご紹介します。
ラペルとは、スーツの上襟に続く折り返しの部分で、下襟(したえり)とも言われています。スーツのディティールのなかでもとくに目立つ部分であるラペルは、印象を大きく左右する重要な部分とされています。
そのため、どのようなラペルを選ぶかによって、スーツをおしゃれに着こなせるかどうかが変わってきます。
ラペルは幅の広さや形で種類が異なります。とくに、幅のサイズによって与える印象に大きく差が出ます。
平均的な幅の広さは7.5~8.5cmとされており、この範囲の幅に該当するものをレギュラーラペルと言います。
なかでも、8.0cmのラペルはベーシックな位置づけとされていて、最も一般的です。また、適度に細身な7.5cmのラペルも、そのスタイリッシュな印象で万人受けしやすいラペルです。
幅の長さが、5.0~7.0cmのラペルをナローラペルと言います。
ナローラペルは、モード系ブランドのタイトなスーツなどによく使われます。幅がやや細めなため、スタイリッシュな印象に映ります。
9.0~10cmと幅の広いラペルはとても存在感があり、クラシックな雰囲気をアピールするのに向いています。
しかしビジネスシーンでは少し派手に見えることもあるので、シーンを選んで着用するとよいでしょう。
ラペルには、幅の広さだけでなく、形状にもいくつかの種類があります。ここでは、それぞれの種類と特徴について簡単にご紹介します。
ノッチドラペルは「V字型の刻み」を意味しており、シャープですっきりした印象が特徴です。
あらゆるシーンに対応する定番スタイルとされており、多くのビジネススーツがこのノッチドラペルを採用しています。
ピークドラペルは、下襟が上に向かってとがった形をしており、華やかで上品な印象が特徴です。
ダブルスーツやフォーマルなスーツによく見られる仕様です。
セミノッチドラペルは、下襟がノッチドラペルよりも上向きになっており、上襟と下襟の間の角度が狭くなっています。そしてこの特徴から、通称「魚の口(フィッシュマウス)」とも呼ばれています。
フォーマルからビジネスまであらゆるシーンに対応できるラペルです。
セミピークドラペルは、ピークドラペルの下襟が水平にカットされており、ピークドラペルよりも柔らかい印象が特徴です。
ノッチドラペルよりも少し渋い印象が特徴で、個性的なラペルと言えるでしょう。
ラペルの幅のサイズは、ネクタイの大剣幅と合わせるのが理想とされています。このひと工夫をするだけでラペルとネクタイのバランスが良くなり、スーツの胸元が洗練された印象に様変わりします。
そのため、ラペルを選ぶときはネクタイの幅に合うサイズのものを選ぶようにしましょう。
たとえば、ノッチドラペルのスーツであれば、幅が7~8cmのレギュラータイを合わせるのがおすすめです。
今回は、スーツの下襟であるラペルの基礎知識と適切な選び方についてご紹介しました。
スーツの細かなディティールのなかでも、ラペルを含む胸元のVゾーンはとくに印象を左右する部分です。
それぞれのシーンに合ったラペルを選ぶことと、ラペルの幅に合ったサイズのネクタイをつけることで、格好よくスーツを着こなしましょう。
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